草津温泉は、古来より病に効果のある湯として、東の横綱といわれるほど有名である。とりわけ外科疾患には特に効果があり、傷や打ち身などに効くとされている。
近年では、社会的な病気の変遷とともにアトピー性皮膚炎、精神疾患という現代医療では治療がなかなか難しい病気の療養で草津を訪れる人が増えている。
草津の湯治を代表するものが、時間湯である。時間湯とは江戸末期に起こり、決められた時間に、決められた入湯時間で決められた回数を入ることによりその名が付いたとされている。
アドバイザーである湯長の指示の下に、湯揉み板で加水することなく湯を混ぜて温度を下げ、湯長の号令の下に、決められた時間だけ湯に入る。それを一日数回繰り返し、ある一定期間湯治を続けるのが、基本となる。
古くは多くの時間湯が存在したが、現在では、時間湯を行っているところは、地蔵の湯と千代の湯の二ヶ所になってしまっている。
千代の湯では、主に時間湯に入ったことのない初心者の方に楽に入ってもらえるように体験入湯を実施している。時間湯というものを知ってもらいその効果を実体験してもらうことで湯治の手助けができればという思いから広く入湯者を受け入れている。そして地蔵の湯は本格的な湯治をしたい方のための時間湯となっている。